【椎間板ヘルニアの原因と対策】
代表のひとりごと | 2025.04.17
腰椎椎間板ヘルニアの原因と対策
1.腰椎椎間板ヘルニアの原因とは?
腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎(腰の骨)の間にある椎間板が変性し、中の髄核という柔らかい部分が外に飛び出してしまうことで、神経を圧迫し、痛みやしびれなどを引き起こす疾患です。
特に30代から50代の働き盛りの方に多く見られる傾向があり、日常生活の中でも注意が必要です。
原因としてまず挙げられるのは「姿勢の悪さ」です。
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、猫背などの不良姿勢は、腰椎をストレート化させ大きな負担をかけ続けるため、椎間板の劣化を早めてしまいます。
また、重い荷物を持ち上げる動作や、中腰での作業なども、腰に瞬間的な圧力を加えるため、ヘルニアの原因となりやすいのです。
さらに、運動不足や筋力低下も大きな要因です。特に腹筋や背筋など、体幹の筋力が弱くなると、腰への負担が増し、椎間板への圧力が集中しやすくなります。
加齢によって椎間板自体の柔軟性や水分量が減少することも、発症のリスクを高めます。
そして意外かもしれませんが、ストレスや睡眠不足も関係しています。
自律神経の乱れは筋肉の緊張を招き、結果として腰まわりの筋肉の柔軟性が失われ、痛みや違和感を感じやすくなることがあります。
つまり、腰椎椎間板ヘルニアの発症は「積み重ね」の結果であることが多いのです。
普段の生活習慣や姿勢、体の使い方を見直すことが、予防や再発防止にはとても重要です。
2.主な症状と日常生活への影響
腰椎椎間板ヘルニアの代表的な症状は、「腰の痛み」と「脚のしびれ・痛み」です。
これらは、椎間板から飛び出した髄核が近くを通る神経を圧迫することで起こります。
特に坐骨神経が圧迫されると、臀部から太もも、ふくらはぎ、足先にかけてビリビリとした痛みやしびれが広がる「坐骨神経痛」の症状が現れます。
症状の出方には個人差があり、軽い違和感程度の方もいれば、立つことや歩くことが困難になるほど強い痛みを感じる方もいます。
さらに悪化すると、日常生活にも大きな影響が出ます。
例えば、朝起き上がるときや車の運転中、買い物中など、何気ない動作で急に痛みが走ると、活動量が落ちてしまい、さらに筋力が低下して悪循環に陥ることも少なくありません。
また、痛みが長引くことで精神的なストレスが増し、慢性的な疲労感や睡眠の質の低下にもつながります。
腰椎椎間板ヘルニアの症状は、放っておいて良くなるものではありません。
日々の生活の中で「おかしいな」と感じる小さなサインを見逃さず、早めの対応が大切です。
整体によるケアや生活習慣の見直しは、症状の軽減と再発防止に非常に効果的です。
3.ヘルニアの一般的な治療法と注意点
腰椎椎間板ヘルニアの治療法は、大きく分けて「保存療法」と「手術療法」の2つに分類されます。
多くの場合、まずは保存療法から始められ、症状の改善が見込めるかを見極めていきます。
保存療法には、痛み止めや筋肉の緊張を和らげる薬の服用、リハビリテーション、理学療法(温熱療法・牽引療法・電気治療など)があります。
これらを組み合わせることで、神経の炎症を抑え、症状の軽減を目指します。
適度な安静と運動のバランスを取ることも大切で、長期間の寝たきりはむしろ筋力低下を招き、回復を遅らせることもあるため注意が必要です。
一方、保存療法で効果が見られない場合には、手術が検討されることもあります。
現在では、内視鏡を使った低侵襲手術も多くなり、体への負担も軽減されてきています。
ただし、手術にはリスクも伴うため、必ず医師と十分な相談を行い、慎重な判断が求められます。
注意したいのは、「痛みが引いた=治った」と思い込まないことです。
ヘルニアは一時的に症状が軽くなっても、根本的な原因が改善されていない場合、再発することが非常に多いです。
特に、姿勢や体の使い方に問題があるままだと、同じ場所に再び負担がかかり、症状を繰り返してしまうことになります。
また、インターネットやSNSなどで見かける自己流のストレッチや体操も要注意です。
間違った方法を続けると、逆に神経を圧迫して症状を悪化させる可能性があります。
信頼できる専門家の指導のもとで、適切なケアを受けることが大切です。
4.整体でできる腰椎椎間板ヘルニアの改善アプローチ
腰椎椎間板ヘルニアと聞くと「整体で本当に良くなるの?」と疑問を持たれる方も少なくありません。
しかし、整体はヘルニアの根本的な原因にアプローチすることができるため、症状の軽減や再発防止に非常に有効です。
まず、整体では身体全体のバランスを整えることから始まります。
ヘルニアの原因には、骨盤や背骨の歪み、筋肉の緊張、姿勢の崩れなどが深く関わっているため、それらを丁寧に調整していくことが重要です。
骨盤が後傾している状態や、腰椎のねじれがあると、椎間板に偏った圧力がかかりやすくなり、ヘルニアの症状を悪化させる原因になります。
当院でも重視しているのが「体幹の使い方」の改善です。
体幹の筋肉(インナーマッスル)を正しく使えるようにすることで、腰椎への負担が軽減され、症状の根本的な改善が見込めます。
施術は基本的に、無理な矯正やバキバキといった強い刺激は避け、ソフトで安全な手技を用いることで、神経を圧迫しないよう配慮しながら進めていきます。
その上で、一人ひとりの姿勢や動作の癖を見極め、普段の生活で気をつけるべきポイントや、自宅でできる簡単なセルフケアを指導することで、再発リスクを大幅に下げることが可能です。
整体は、ヘルニアを改善するというよりも、「回復しやすい身体の土台を整える」役割を担っています。
慢性的な痛みに悩んでいる方こそ、一度しっかりと身体を整え、根本的な改善を目指してみる価値があるといえるでしょう。